【DX小噺2】たどり着けないX
心の中のDXを供養するためのコラム、第2回です。
第1回はこちら。供養するつもりが地縛霊になりそうなほど開いてしまった。
DXで重要なのは「D」ではなく「X」 - Hello, World
デジタル?IT?よくわからないからムリムリ
デジタルに対する食わず嫌いは、今でもたくさんある。
やっかいなことに、この「食わず嫌い」という拒否反応は、老若男女を問わず、各段階でそこそこ起こっている
スマホが使えない人は、スマホに対して。
エクセルが使えない人は、エクセルに対して。
エクセルマクロが使えない人は、エクセルマクロに対して。
無線LAN設定がわからない人は、無線LAN設定に対して。
インターネットがつながる仕組みがわからない人は、インターネットがつながる仕組みに対して。
Webサービスが使えない人は、Webサービスに対して。
エアコンの設定を暖房から冷房に切り替えるだけでも、苦手な人には自信がなくて一人ではできない行為の1つだったりする。
一応IT企業で、みんなPCで業務アプリ使ってペーパーレスで業務している20~30代中心のスタッフ という集団を切り出してみても、デジタルに対する拒否反応、というよりむしろ「拒絶」に似た反応はある。
日常生活で使っているものや、使ったことがあるものは受け入れられるが、ちょっと違うことしようとすると伝わらないし、「自分にはわからない(から全部やってください、または、そんなことやらないでください)」という反応を受ける。
そんなこといっても、我々も最初は未経験でしたよ、と言っても、返ってくるのは距離を置こうとする反応ばかり。
●●さんだからできるんですよ
●●さんだからわかるんですよ
自分にはムリです
自分にはわからないです
拒絶。
拒否反応。
これが「場」の主導権を握ってしまうと、「X」にはたどり着けない。
たどりつけないX
デジタル化度合いや難易度はともかく、DXに取り組もうとすると、何かしら、今持っていないデジタルツールや仕組みや知識を新たに仕入れないとならない。
その「D」に触れたときに、
自分事としてとらえてもらえない場合、
拒絶されてしまった場合、
その先の「X」に進むのは非常に困難になる。
第1回にも書いたが、DXというのは
デジタルの力を使って:手段
変えましょう:目的
であって、DXの目的は変えること=変革だ。
「D」つまりデジタルの力を使うのはあくまで手段にすぎない。目的ではない。
しかし、世の中にあふれるたくさんの「D」に対して、はじめに拒否反応を示してしまうと、その先の変革の可能性を潰してしまう。
人は変化を嫌う
現状維持バイアス、というものがある。
詳細はWikiなど検索していただきたいが、人は、過去と同じ、今と同じであろうとする傾向がある。
多かれ少なかれ。
初めてみる技術ややり方に拒否反応を示すのも、よくあることだ。
ましてや現状なんとかこなせている業務であればなおさら。
そこまでして、今までのものをデジタル化しなければならないのか。
新しいツールを導入しなければならないのか。
答えは「否」。
少なくとも自分はそう思っている。
デジタル化しましょう、新しいシステムを導入してやり方を変えましょう
なーんて現場に話を振ったとしても、拒否反応に直面してとん挫する。
デジタルなんか振りかざすから、DXは進まないんです。
次回予告
DXは方便
※ 3回くらいでまとめようと思ってたので、次回で最終回。
おまけ
一般に「DX」で検索するとたくさんの本が引っかかってきますが、そういうのは読んだことがなくて。
自分が読んでへぇ…ってなったもの置いておきます。
こっちは「へぇ」じゃなく「ぐへぇ」ってなる。